Webサイトの仕組みを知る上で、「CMS」という言葉はよく耳にします。でも「専門用語みたいでよくわからない」「結局何が便利なの?」と感じる人も多いはず。ここでは、難しい技術用語を使わずに、CMSの仕組みと役割をわかりやすく解説します。
元々ホームページはどうやって更新する?
ホームページはブラウザ用の言語で書かれている
まず、ホームページというのは「ブラウザが読める言語」でできています。具体的には、HTML(構造)、CSS(見た目)、JavaScript(動き)という3つの要素が中心です。
これはいわば“ブラウザ専用の言語”で、文字や画像をどこに配置するか、どんな色にするか、どんな動きをつけるかを指示しています。
htmlは構造指示、cssは装飾、javascriptはアクション
HTMLは「見出し」「本文」「画像」といったページの骨格を作るもの。CSSはその骨格に色や余白、フォントなどのデザイン(装飾)を与えるもの。そしてJavaScriptは、メニューの開閉やスライドショーなどのアクション(動作)をつけるものです。
この3つを組み合わせることで、Webページは完成します。
つまり、ホームページを更新するということは?
昔は、ページを更新するたびにこの3種類のファイルを手作業で書き換える必要がありました。ちょっとした文章修正や画像変更でも、専門知識が必要で、修正依頼をするたびに制作者に頼むのが当たり前。
つまり、「更新=ファイル編集」というのが従来のホームページ運用でした。
CMSを使うと更新方法はどう変わる?
ブラウザ用言語はCMS任せ
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使うと、HTMLやCSSを直接書く必要がなくなります。WordPressなどのCMSが、あなたの入力内容をもとに自動でブラウザ用の言語に変換してくれます。
たとえば、管理画面にタイトルと本文を入力し「公開」ボタンを押すだけで、裏側では複雑なプログラムが生成されています。
装飾もアクションもボタンをクリック
文字の太字、画像の挿入、リンク設定なども、WordやGoogleドキュメントのようなボタン操作で完結。ボタン一つでアニメーションやレイアウト変更もできるため、専門知識がなくてもプロ並みの仕上がりになります。
つまり、CMSは「文章を書くようにホームページを作れるツール」です。
最適な場所に保存してくれる
投稿した記事や画像は、CMSが自動的にデータベースに整理して保存します。「記事」「固定ページ」「画像」「カテゴリー」などの仕分けも自動で行われるため、後から探したり再利用するのも簡単です。
更新履歴や下書き保存もできるので、誤ってデータを消してしまう心配もほとんどありません
どんな仕組みで動いているの?
注文を受けたらレシピ通りに調理開始
CMSは、例えるなら「注文が入るとレシピに沿って料理を作るキッチン」のようなもの。
ユーザーが「この記事を読みたい」というリクエストをすると、CMSはデータベースから必要な材料(タイトル・本文・画像など)を取り出し、あらかじめ決められたレシピ(レイアウトの設計図)に沿ってページを組み立てます。
イメージはお惣菜をお弁当に詰める感じ
CMSが扱う「記事」「画像」「メニュー」は、あらかじめ作り置きされた“お惣菜”のようなものです。それらを“お弁当箱”に詰めて、一つのページとして仕上げるイメージ。記事を追加すると、自動的に新しいお弁当が作られ、一覧ページにも反映されます。
出来上がったら配布
完成したページは、Webサーバーからインターネット上に配信されます。訪問者がアクセスするたびに、CMSがレシピどおりにページを組み立てて表示してくれます。
これにより、何百ページでも自動的に整ったデザインで表示できるのです。
記事を書くときは逆順で保存
ページが表示されるときは「材料を組み合わせる」流れですが、記事を書くときはその逆。あなたが入力した内容を、CMSがレシピを逆にたどって分解しデータベース保存します。
つまり「書く=材料をストック」「読む=お弁当にして出す」という構造になっています。
難しいことを代わりにやってくれるのがCMS
まとめると、CMSは「Webサイトを作るための難しい工程を自動化してくれるシステム」です。HTMLやCSSといった専門知識を使わなくても、コンテンツの作成・保存・公開がボタン操作で完了します。
一度仕組みを理解しておけば、どんなCMSでも使い方の基本は同じです。つまり、CMSとは「誰でもWebで発信できるようにする仕組み」であり、プロにとっては作業効率を高めるツール、初心者にとってはWebの入口となる頼もしい味方です。